アキーセルやSAFE liposuctionについては“Bloom Delight Clinicの脂肪吸引が選ばれる理由”をご参照ください。
臀部への脂肪注入は豊尻術、ブラジリアンバットリフト（BBL: Brazilian Butt Lift）と呼ばれています。

採取した脂肪を顔へ注入するのか、胸へ注入するのか、お尻へ注入するのか、それぞれ別の考え方が必要ですが、とりわけお尻への脂肪注入は注意が必要です。
2016年の報告で他の美容外科治療に比べ高い死亡率が報告され、なぜそんなにリスクが高いのか、海外の多くの学会で専門委員会が立ち上がり、詳細な調査を行いました。その結果2017年に注意喚起がなされ、日本においても2018年に臀部脂肪注入（BBL）に対する5学会からの提言という報告がなされています。

その報告のなかで7つの提言がされており、そのうちの1つの提言に3つの関連論文が紹介されています。脂肪塞栓のリスクがIncidence Rate Ratio(IRR)というどのくらいリスクが増えるのかという指標で表されています。筋肉への脂肪注入が危険であること、先端の方向が下向きだと危険であることや注入するカニューレのサイズが4.1mm以上のほうが安全であることなどが結論です。

またこれらの論文の中にもExpansion Vibration Lipofillingについても、より安全と思われる方法として記載があります。
SAFE Liposuctionの応用であるExpansion Vibration Lipofillingは海外ではBBLの際に多く用いられている方法ですが、日本ではSAFE Liposuction自体が2023年の論文で初めて記載された方法（柴田智一: SAFE Liposuctionをもちいた合併症のリスクが少ない脂肪吸引方法：雑誌形成外科 66(8):954~961,203）であり、論文の中に記載はあるもののまだ国内で経験された先生はほとんどいないテクニックです。
2021年以降、BBLは全てこの方法で行なっています。
2024年の日本美容外科学会でもExpansion Vibration Lipofillingも含めた発表を行い、多くの先生から興味をもって質問していただきました。

日本形成外科学会のホームページを参照すると以下のように記載があります。“形成外科は身体に生じた組織の異常、変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、さまざまな手法や特殊な技術を駆使して治療する外科系の専門領域です。機能のみならず、形態的にもより正常に、より美しくすることで、みなさまの生活の質”Quality of Life”の向上に貢献します。“すなわち美容医療も形成外科で扱う一分野となります。

臀部まわりの脂肪吸引と脂肪注入をBrazilian Butt Liftと呼ばれるのはなぜだかしっていますか？ほとんどの美容外科医も知りません。ブラジルではお尻のコンテストがあるくらいですので、お尻の美容整形のニーズは高そうですが、それが由来ではありません。

1996年に”Building the Brazilian Butt”という特集番組がありました。番組ではブルックリンの形成外科医が脂肪吸引と臀部への脂肪注入を行い、患者さんがブラジル出身だったとのことです。ここからBrazilian Butt Liftという名前の始まりです。

BBLの内容はブラジリアンでもなくリフトでもない。それが正しい認識です。多くの論文によって危険な手術から他の美容医療の手術と同程度のリスクまでなるためにはなぜ危険なのかどうしなければいけないのかという知識が必要です。世界中の著名な先生がたの知識の結晶である論文をベースに真に正しい医療を提供して、患者さんの人生がより幸せになれるようにすることが、私の使命です。

脂肪吸引術後のケアは大切です。多くのクリニックでは術後のケアに力をいれていませんが、当院は文献に基づいて術後のケアを大切にしています。術後のケアはダウンタイムを短くし、拘縮を予防、改善、最終的な手術の結果をよくすることが期待できます。海外では実に様々な術後のケアがとりいれられています。アキーセルを用いたSAFE Liposuctionは熱による影響がありませんので、熱に伴う瘢痕拘縮の心配は無用ですが、術後のケアもしっかりと行なっていきます。

またエコー検査もあります。臀部への脂肪注入も含めて脂肪注入はブラインドの手術です。術後も触診だけでどんな状態なのか把握することは困難です。エコー検査をすることで、患者さんも安心しますし、術者にとっても自分の手技を見直し、よりよい手技、よりよい結果を患者さんに提供できるようになります。エコー検査にかかる費用はありません。

修正の手術は難易度が高くなります。まずは修正にならないように手術をすることが大切ですが、残念ながら修正が必要となる場合があります。脂肪吸引の修正において最も多いのは皮膚の凸凹です。原因は2つ、用量反応曲線の関係にある浅層の脂肪を取り過ぎた場合やむらによる皮膚と筋膜との癒着。もう1つが熱による熱傷瘢痕です。

脂肪吸引の修正にはほとんどの場合脂肪注入が必要になります。癒着部位の剥離（Rigottomy）と脂肪注入を組み合わせます。癒着を剥離しただけでは再癒着をするだけですので、脂肪が必要です。SAFE Liposuctionは全ての部位に一層の脂肪を残すことで癒着を防ぐことができるテクニックです。応用することで修正の手術も可能です。

修正の手術は難易度が高く、手術時間も長くかかりますので他院修正の手術は他院修正料金が追加で必要になりますが、当院の方針として料金の加算をいただきません。美容医療は幸せになるための医療ですので、美容医療を受けられて残念ながら修正手術が必要になってしまった方のお力になれたらと思ってのことです。全国から患者さんが来院しやすいクリニックでありたいと思い東京の新宿にクリニックを開業しました。実際に北海道から沖縄の方までご来院されております。