乳房の手術
乳房の手術
豊胸手術をはじめ、乳輪や乳頭の手術などお胸に関する幅広い手術に対応しております。
胸の大きさや形、左右差など各個人によってお悩みの種類はさまざまです。ひとりひとりのお悩みとお体の状態によって最適な施術をご提案いたします。
乳房の手術で最も多いご相談が豊胸の手術です。
豊胸の手術としてお勧めできるのは脂肪注入による豊胸とシリコンバッグによる豊胸の2つです。ヒアルロン酸による豊胸術やその他の豊胸術はおすすめできません。
シリコンバッグは入れるサイズを選択し確実な大きさを得ることができるのがメリットですが、人工物であり、目立つことがあります。痩せていれば痩せているほどシリコンであることが目立ちますので、絶対にバレたくないという方にはお勧めしません。
一方で脂肪注入は得られるボリュームが一定ではなく、定着率のバラつきがあります。元のボリュームや皮膚の伸びなどの要素が重要ですので、目的のボリュームになるまで複数回の治療を必要とすることもあります。しかしながらとても自然で体重増加に合わせてお胸が太りやすく、体重減少によって痩せる変化をします。
それぞれのメリット、デメリットを考えて治療をご提案、一緒にゴールを考えていきます。
最も自然な豊胸術です。脂肪注入は脂肪吸引とは違う知識と技術を必要とします。
脂肪注入の工程は術前評価、採取、加工、注入、術後ケアに分類されます。その中でベストと思う手術を行います。術前評価ではどれくらいの脂肪注入が可能か、過去の経験と文献から推定します。複数回の治療が必要な場合は採取する部位も計画を立てる必要があります。
採取はアキーセルの脂肪注入用のカニューレを用いたSAFE Liposutionを行います。脂肪注入のための脂肪の採取ですが、吸引部分も美しく、熱を伴わず、凸凹せず、痛みも少ない脂肪吸引を行います。周りの組織の損傷が少ない脂肪吸引をすることが脂肪吸引部位にとっても注入に際しても大事です。
加工の過程では脂肪の損傷を避けるために静置した脂肪を使用します。顔への少量の脂肪注入と異なるmega volumeの注入です。遠心分離やフィルターは使用しません。
注入は最も術者の技術が問われます。しこりのリスクを最小限に最大限の定着を目指すために複数の層で複数の方向から注入します。ほとんどの注入は切開をせず、針穴を使用することで傷もほとんどわからなくなります。1方向や2方向からの注入ではしこりのリスクが増します。
術後のケアも大切です。移植の手術ですので安静と固定が大切です。過剰な圧は絶対に避けなくてはなりませんので、手術の翌日にチェック、指導します。
浅い皮下にも注入しますので、内出血が2、3週間目立ちます。圧が掛かると移植した脂肪が壊死し、炎症を起こすことがありますので、圧がかからないように生活する必要があります。
脂肪注入との大きな違いとして、挿入したシリコンのサイズ分確実に大きくなることが挙げられます。ご希望の大きさや理想の形を伺いシリコンのサイズを決定します。
ほとんどの場合、腋窩の皺に沿って数cmの切開を行い、大胸筋の上あるいは下へシリコンバッグを挿入します。安全に合併症なく手術を行うために剥離可能な範囲に限りがありますので、挿入するバッグを選ぶ際に術前の計測がとても大切です。創部は閉創し、術後は3日間圧迫固定を行います。1週間で抜糸を行い、マッサージを行います。シリコンバッグ挿入のリスクとして拘縮することがあります。拘縮はスペースが狭くなった場合に起こり、悪化していくことがありますので、挿入したスペースのゆとりを確保することが大切です。過去の経験からマッサージすることをお勧めしていますので、術後に指導を行います。またシリコンバッグ挿入に伴う特殊な合併症として波打つように見えたり、乳房下溝が二重に見えたりすることがあります。痩せていれば痩せているほど目立ちやすいため、絶対にバレたくないという方にはお勧めしません。またマンモグラフィ検査が受けられなくなることもデメリットの1つです。
乳房が大きいことによりコンプレックスに感じている方、肩こりなど症状が乳房の大きさによると思われる方で大きな傷に抵抗がある方は脂肪吸引を行うことで改善が得られます。
腋窩や乳房下溝より脂肪吸引を行います。脂肪吸引はアキーセルを用いたSAFE Liposuctionで行います。乳腺組織は吸引することができませんので、乳腺が肥大していることが原因の場合には選択することができません。吸引により乳房が下垂することがほとんどですので、メリット、デメリットをよく検討して手術を検討しましょう。1、2週間程度のはれ、内出血があります。完成までは半年程度必要です。
授乳後や痒みに対する掻爬などで乳頭が肥大することがあります。乳頭縮小術は肥大した乳頭の長さや直径を小さくすることができます。乳頭基部から数mm皮膚を剥離し乳頭の高さを短くし、楔状に切除することで直径を小さくすることができます。創部は縫合し1週間から2週間程度で抜糸します。目立つ腫れは1、2週間程度、内出血は1週間程度です。過剰な切除の場合は修正が困難です。
大きくなった乳輪を内側あるいは外側で切除し縮小する方法です。内側で切除した方が傷が目立ちにくいのですが、切除できる量が少なくなるのと、乳頭が牽引されて扁平化することがあります。皮膚を切除した後、縫合します。内側と外側で傷の距離が異なるため、直後は傷がギャザー状に見えますが、改善していきます。腫れは1、2週間程度、内出血も1、2週間程度です。後戻りに伴い傷が目立つことがあります。
陥没乳頭に対する治療としてマッサージや吸引器具があります。それらで改善が得られない場合に手術を検討します。陥没している乳頭に切開を加え、拘縮している瘢痕組織を丁寧に剥離します。真皮弁を作成し、後戻りの予防のために真皮弁同士を縫合します。皮膚を縫合しますが、一部は縫合せずに軟膏治療を行います。抜糸は1週間から2週間程度で行います。血流不良による乳頭壊死のリスクがあります。
下垂した乳房や大きさが気になる乳房を小さくすることができます。乳輪をくり抜くように切開し、乳腺組織を含め皮下脂肪と余剰の皮膚を切除します。くり抜いた乳輪は、頭側に移動させ縫合します。ドレーンを挿入し、圧迫します。ドレーンは滲出液が少なくなるまで3日から1週間程度挿入します。傷跡が乳輪に1周でき、そこから縦の傷と乳房下溝に傷ができます。傷が目立ちやすい手術ですので、傷に対する理解が必要です。
薬剤に対するアレルギー、1、2週間程度の腫れ、内出血、完成までは6ヶ月程度かかります。感染、血腫、神経障害、左右差、つっぱり感や痛み、凸凹、肥厚性瘢痕が残存することがあります。効果が過剰、不足、思っていた通りではないことなどがリスクとしてあります。
どちらの手術もメリット、デメリットがあります。患者様の状態や理想にもよっても選択肢が異なります。他院修正以外のご相談は無料ですので、ご相談に来ていただけたらと思います。また、脂肪注入とシリコンバッグ以外の豊胸術はお勧めできません。
シリコンバッグ挿入後のマンモグフラフィはシリコンバッグの破損のリスクがあるため検診では受けられなくなることが多いです。超音波検査やMRI検査は可能です。